デジタル化・AI導入補助金2026|人事評価・勤怠システムに使う条件と申請手順

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デジタル化・AI導入補助金2026は、人事評価システムや勤怠・給与のクラウドツールにも使えます。補助率は原則1/2で、人事まわりのツールだけを入れる場合は「150万円未満」の区分になるケースがほとんどです。この記事は、従業員30〜150名の会社で、評価や勤怠をExcelからシステムに切り替えたい経営者・人事担当者に向けて書いています。

2026年10月1日時点で、通常枠の次の締切は6次の10月30日(金)17:00です。5次は9月29日に締め切られました。7次以降の日程は、事務局がまだ公表していません。

デジタル化・AI導入補助金とは|IT導入補助金が2026年に名前を変えた制度

正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」です。以前の「IT導入補助金」が、令和7年度補正予算の事業から今の名前に変わりました。中小企業・小規模事業者が、労働生産性を上げるためにAIを含むITツール(ソフトウェアやクラウドサービス)を入れるときの費用を、国が一部負担します。

申請は会社が単独で行うものではありません。事務局に登録された「IT導入支援事業者」(ツールを販売・導入する事業者)と組んで申請します。補助の対象になるツールも、事務局の審査を通って登録されたものに限られます。2026年度からは、AI機能を持つツールが登録時に明示され、公式サイトのツール検索で絞り込めるようになりました。

人事の領域では、人事評価システム、勤怠管理、給与計算、研修管理などのクラウドツールが対象になり得ます。あなたが検討しているツールが登録されているかどうかは、公式サイトのツール検索か、販売元への問い合わせで確認できます。

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人事評価・勤怠ツールなら、補助額は「150万円未満」の区分が中心

通常枠の補助額は、ツールがカバーする業務の数(プロセス数)で2つに分かれます。

区分補助額補助率
1プロセス以上5万円以上150万円未満1/2以内(条件を満たすと2/3以内)
4プロセス以上150万円以上450万円以下1/2以内(条件を満たすと2/3以内)

プロセスとは、補助金の上での業務の区分です。人事評価・勤怠・給与・研修は、どれも「総務・人事・給与・教育訓練…」という同じ区分にまとまります。そのため、人事まわりのツールだけで4プロセスを満たすのは難しく、多くは150万円未満の区分で申請することになります。区分の正確な定義は、公募要領で確認してください。

補助率が2/3になる条件と、150万円以上で必要になる賃上げ

補助率が2/3以内に上がるのは、令和6年10月〜令和7年9月のうち3か月以上、地域別最低賃金以上・改定後の最低賃金未満で働く従業員が全体の30%以上いた場合です。パート・アルバイトの比率が高い飲食・介護・小売では、この条件に当てはまる会社が少なくありません。

150万円以上を申請する場合は、事業場内の最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」にすることが必須の要件になります。150万円未満の申請では必須ではなく、加点の項目として扱われます。

試算:従業員40名で人事評価クラウドを入れた場合

費用の内訳金額
評価クラウドの利用料(1人月500円×40名×24か月)48万円
初期設定・管理者向け研修20万円
合計68万円
補助額(1/2)34万円
自己負担34万円

クラウドの利用料は最大2年分までが対象です。3年目以降の利用料は自社で払い続けることになります。また、補助金は実績報告のあとに振り込まれる後払いです。いったん68万円を全額支払える資金繰りかどうかも、申請前に確かめておきます。

もう1つ押さえておきたいのが、対象になる費用の範囲です。導入コンサルティング・設定・研修といった「導入関連費」も対象ですが、これは登録されたツールを入れて使いこなすための費用です。評価項目や等級をゼロからつくる、人事制度の設計そのものの費用とは別物として考えてください。

対象になる会社|サービス業は「従業員100人以下」か「資本金5,000万円以下」

対象は中小企業・小規模事業者です。業種ごとに、資本金か従業員数のどちらか一方を満たせば対象になります。

業種資本金常時使用する従業員数
製造業・建設業・運輸業など3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

たとえば従業員120名のサービス業でも、資本金が5,000万円以下なら対象です。反対に、従業員60名の小売業で資本金が1億円の場合は、どちらの基準も超えるため対象外になります。医療法人や社会福祉法人なども、従業員数などの基準を満たせば対象に含まれます。

2026年の締切は6次が10月30日|1〜6次のスケジュールと採択率

回締切交付決定(予定)事業実施・実績報告の期限
1次5月12日6月18日2026年12月25日
2次6月15日7月23日2027年1月29日
3次7月21日9月2日2027年2月26日
4次8月25日10月7日2027年3月31日
5次9月29日11月9日2027年4月30日
6次10月30日12月10日2027年5月31日

締切はいずれも17:00です。締切を1分でも過ぎた申請は受け付けられません。締切の直前は申請マイページにアクセスが集中するため、前日までに出し終える前提で動きます。

通常枠の採択率は、1次が43.94%、2次が43.59%、3次が42.19%でした。3次は1,913件の申請に対して採択は807件です。申請した会社の半分以上が通っていない計算になります。

10月1日から6次に間に合わせるには、約4週間でアカウント取得・ツール選定・見積もり・事業計画までを終える必要があります。まだ何も手をつけていないなら、6次に無理に合わせるより、7次以降の締切で計画の質を上げるほうが採択に近づきます。

申請までの6ステップ|交付決定の前に契約しない

  1. gBizIDプライムを取得する。国の電子申請で使う共通アカウントです。マイナンバーカードを使ったオンライン申請なら最短即日で発行されます。書類を郵送する方法は日数がかかります。
  2. SECURITY ACTIONを宣言する。IPA(情報処理推進機構)の情報セキュリティ自己宣言で、「★一つ星」か「★★二つ星」のどちらかが必要です。
  3. ツールとIT導入支援事業者を決める。入れたいツールが事務局に登録されているかを確認し、その販売元・導入元と組みます。
  4. 見積もりを取り、事業計画をつくる。どの業務の何時間を減らすかを、数字で書けるようにしておきます。
  5. 申請マイページから交付申請する。IT導入支援事業者と共同で提出します。
  6. 交付決定のあとに契約・導入・支払いをする。事業実施期間内に実績報告を出し、その後に補助金が振り込まれます。

よく起きる失敗:交付決定の前に年間契約を結んでしまう

たとえば従業員35名の会社が、4月の評価期に間に合わせようと、交付決定を待たずに評価システムの年間契約を結んだとします。この場合、あとから申請しても、すでに契約・支払いをした費用は補助の対象になりません。先ほどの試算でいえば、受け取れるはずだった34万円がゼロになり、68万円がすべて自己負担になります。評価の時期が迫っているときほど、締切と交付決定日から逆算して、導入の時期を決めておきます。

補助金を使う前に確認したい5つのこと|ツールより評価基準が先

8年で200社以上の人事制度づくりに関わってきた中で、何度も見てきたパターンがあります。評価システムを先に入れて、評価基準を後回しにした会社ほど、2年目にはシステムへの入力が止まり、Excelの評価シートに戻ってしまうのです。システムは評価のやり方を速くしてくれますが、何を評価するかまでは決めてくれません。

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あなたの会社がどの段階にいるかは、次の5つで確認できます。

  • 評価項目と等級が、文章になっているか(今のExcelの評価シートが1枚あれば出発点になります)
  • 評価の結果を、昇給・賞与にどう反映するかが決まっているか
  • 運用する担当者が決まっているか(従業員50名規模なら、社長と人事担当1名でも回せます)
  • 補助の対象外になる3年目以降の利用料を、払い続けられるか
  • 交付決定まで契約を待てるスケジュールになっているか

2つ以上が「いいえ」なら、先に評価制度を整えてから次の締切を狙うほうが、補助金を使ったあとの効果が出やすくなります。

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どのツールで、どの締切を狙うかは会社ごとに変わります

補助金の制度そのものは公募要領に書いてあります。けれど、あなたの会社でどのツールを選び、評価制度をどこまで整えてから申請するかは、従業員数、今の評価シートの状態、資金繰りによって答えが変わります。ここから先は、個別の状況を見ながら判断が分かれるところです。

当社では、人事評価の領域で補助金の対象になるツールの取り扱いがあります。評価制度づくりと合わせて、ツール選びや申請の準備を一緒に進めることもできます。「うちの場合は対象になりそうか」という段階のご相談でもかまいません。福岡の人事評価制度づくりの支援内容をご覧いただくか、お問い合わせフォームからご連絡ください。

※この記事の制度情報は2026年10月1日時点のものです。締切や要件は変わることがあるため、申請前にデジタル化・AI導入補助金の公式サイトで最新の情報を確認してください。


著者プロフィール

野村 幸太(のむら こうた)/株式会社クリアマネジメント 代表

株式会社あしたのチームで福岡支社の立ち上げに参加し、広島・福岡の支社長、西日本エリアマネージャーを歴任。8年間で200社を超える人事評価制度の構築・運用を支援しました。2022年に福岡でクリアマネジメントを設立し、従業員30〜150名の中小企業を中心に、人事評価制度・組織づくり・採用・AI活用を支援しています。

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